神奈川県は医師会とともに医療ツーリズムにより地域医療への影響を考慮し、課題の抽出やルール作りを検討するとのことです。地域医療を圧迫することなく、医療へ貢献する「医療ツーリズム」であるためには、その「バランス感覚」も重要なポイントだと考えます。
ブログをご覧いただきありがとうございます。心行政書士事務所の二藤です。
今日は神奈川新聞(カナロコ)の記事をご紹介したいと思います。
『医療ツーリズムに県、ルール策定 医師会と連携し検討会議』
http://www.kanaloco.jp/article/375535
神奈川県が県医師会とともに、医療ツーリズムが地域医療に影響を及ぼさないようなルール作りを検討しているという内容です。
医療ツーリズムにあたっては、既存の地域医療が圧迫され、地域で医療を必要としている人のニーズを満たせない可能性を危惧する状況があります。
既存になかった形の医療提供に対し、行政が関係団体と協議を進めることは大変望ましいことだと考えます。
私は地域に暮らす住民の医療が確保された上で、医療ツーリズムによる診療を受け入れるという形が望ましいものと考えます。
その上では県と医師会のみならず、記事中で黒岩神奈川県知事のコメントの通り、国単位での取り組みも今後より一層重要です。
厚労省も「外国人患者受入れ医療機関認証制度※」の認証にあっては、既存の地域医療に影響を与えないことを示していますが、今後、国・都道府県・市区町村など行政機関における医療ツーリズムや渡航医療に対するルール作りがより一層具体化していくと想定されます。
※一般財団法人 日本医療教育財団 「外国人患者受入れ医療機関認証制度」 http://jmip.jme.or.jp/
一方で、民間のコンサルタント企業の予測によれば、医師一人当たりの1日当たりの外来患者数・入院患者数ともに2035年には2002年と比べて約15%程度の減少が見込まれるとのことです※。医師の余剰が想定されている中で、医療ツーリズムとの関係をどう考えるかという点もポイントの一つと言えるでしょう。
※参考)大石佳能子,小松大介:診療所経営の教科書。日本医事新報社,2013
その他、様々な予測も検討しながら、地域医療の安定と、外国からの患者の受け入れとのバランスを検討する必要があると考えます。
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