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補助金申請の基本知識[わかる!補助金申請①]

補助金申請を業務の柱のひとつとする私ども心行政書士亊務所。 弊所が培った知識をもとに、補助金申請について分かりやすく解説した記事をシリーズでご紹介することといたしました。 ぜひご活用いただき、みなさまの事業の発展にお役立てください。

目次

  1. 補助金と助成金の違い

  2. 補助金の基本的な仕組み

  3. 補助金の申請プロセス

  4. 補助金のメリットとデメリット

  5. 補助金申請における注意点

  6. 補助金を活用した成功事例  

1. 補助金と助成金の違い


補助金とは

補助金は、主に経済産業省や地方自治体が管轄しており、「事業拡大」や「設備投資」などの企業活動を支援するために支給される資金です。返済は不要であり、企業の事業サポートとしての意味合いが強いです。補助金の目的は、国や自治体が政策や事業を進めるため、特定の産業の育成や地方創生を達成することにあります。補助金の特徴として、以下の点が挙げられます:

  1. 競争性: 多くの場合、申請者間で競争があり、審査を通過した事業計画のみが採択されます。

  2. 事前申請: 事業開始前に申請し、採択された後に事業を実施します。

  3. 対象経費の明確化: 補助対象となる経費が明確に定められており、それ以外の経費は補助金の対象外となります。

  4. 事後報告義務: 事業完了後、実績報告書の提出が必要です。  

助成金とは

助成金は、主に厚生労働省が管轄しており、「雇用促進」や「職場改善」などの活動を支援するために支給される資金です。こちらも返済は不要で、労働者の職の安定を主な目的としています。助成金は、事業存続が困難な場合や休業を余儀なくされる状況で、労働者の職を安定させるために支給されることが多いです。助成金の特徴として、以下の点が挙げられます:

  1. 要件充足性: 定められた要件を満たせば、原則として支給されます。

  2. 事後申請: 多くの場合、要件を満たした後に申請を行います。

  3. 幅広い対象: 雇用関連の幅広い取り組みが対象となります。

  4. 継続的な支給: 一定期間にわたって継続的に支給されるケースもあります。  

主な違い

  1. 管轄:

  • 補助金:経済産業省や地方自治体が主に管轄

  • 助成金:厚生労働省が主に管轄

  1. 目的:

  • 補助金:事業拡大や設備投資など、企業の成長や競争力強化を支援

  • 助成金:雇用促進や職場改善など、労働環境の整備や雇用の安定を支援

  1. 受給のしやすさ:

  • 補助金:予算や定員があり、競争性が高いため採択されない場合もある

  • 助成金:要件を満たせばほぼ100%受給可能

  1. 申請タイミング:

  • 補助金:事業開始前に申請

  • 助成金:多くの場合、要件を満たした後に申請

  1. 対象範囲:

  • 補助金:特定の事業や投資に対して支給

  • 助成金:雇用や労働環境に関する幅広い取り組みに対して支給    

2. 補助金の基本的な仕組み


補助金は、企業が特定の事業を行う際に、その費用の一部を国や自治体が負担する制度です。補助金の申請には、事前に事業計画を提出し、その計画が採択される必要があります。採択後、事業を実施し、実績報告を行った後に補助金が支給されます。

 

仕組みの詳細な流れ

  1. 公募:

  • 補助金の募集が開始されます。

  • 公募要領が公開され、申請期間や補助金額、対象事業などが明示されます。

  1. 申請:

  • 企業が事業計画を作成し、必要書類とともに提出します。

  • この段階で、事業の目的、内容、期待される効果などを明確に示す必要があります。

  1. 審査:

  • 提出された計画が審査されます。

  • 審査は通常、外部の有識者を含む審査委員会によって行われます。

  • 事業の新規性、実現可能性、期待される効果などが評価されます。

  1. 採択:

  • 審査を通過した計画が採択されます。

  • 採択結果は申請者に通知され、採択された事業は公表されることが多いです。

  1. 交付申請と交付決定:

  • 採択された事業者は補助金の交付申請を行います。

  • 審査機関が内容を確認し、問題がなければ交付決定を行います。

  1. 実施:

  • 企業が事業を実施します。

  • この際、補助金の交付決定通知に記載された条件を遵守する必要があります。

  1. 報告:

  • 事業完了後、実績報告書を提出します。

  • 報告書には、事業の成果や支出した経費の内訳などを記載します。

  1. 確定検査:

  • 実績報告書に基づき、事業の成果や経費の妥当性が検査されます。

  • 必要に応じて、現地調査が行われることもあります。

  1. 支給:

  • 確定検査で問題がなければ、補助金額が確定し、支給されます。

  • 支給は通常、事業完了後の精算払いとなります。  

補助率と補助上限額

補助金には、補助率と補助上限額が設定されています。

  • 補助率: 対象となる経費のうち、何%を補助するかを示します。例えば、補助率2/3の場合、対象経費の3分の2が補助されます。

  • 補助上限額: 1事業あたりの補助金の最大額を示します。例えば、補助上限額1,000万円の場合、対象経費が多くても1,000万円までしか補助されません。

これらの条件は補助金の種類によって異なるため、申請前に必ず確認が必要です。  


3. 補助金の申請プロセス


補助金の申請プロセスは以下の通りです。各段階で注意すべき点も併せて解説します。

1. 補助金を探す

補助金は国や自治体、民間団体が募集しているものがあります。以下の方法で情報を収集します。

  • Web上のまとめサイト: 「J-Net21」や「ミラサポplus」などの公的なポータルサイトを活用します。

  • 国の支援制度を掲載しているサイト: 経済産業省や中小企業庁のウェブサイトで最新の補助金情報を確認します。

  • 地方自治体の窓口: 都道府県や市区町村の産業振興課などで地域特有の補助金情報を入手できます。

  • 商工会議所や商工会: 地域の経済団体で、会員向けに補助金情報を提供していることがあります。

注意点:

  • 最新の情報を確認すること。補助金は年度ごとに内容が変更されることがあります。

  • 複数の情報源を活用し、自社に最適な補助金を見つけること。

2. 要件の確認

各補助金には応募要件が定められています。自社がその要件を満たしているか、以下の点を中心に確認します。

  • 対象業種: 特定の業種のみを対象としている補助金もあります。

  • 企業規模: 中小企業向け、小規模事業者向けなど、企業規模で対象が限定されることがあります。

  • 財務状況: 赤字企業を除外するなど、財務状況に関する条件がある場合があります。

  • 事業内容: 補助金の目的に合致した事業内容であることが求められます。

注意点:

  • 要件を満たしていない場合は、申請しても採択されません。時間と労力の無駄を避けるため、慎重に確認しましょう。

  • 不明点がある場合は、補助金の事務局に直接問い合わせることをおすすめします。

3. 申請書類の準備

必要な書類を揃え、申請書を作成します。一般的に以下の書類が必要となります。

  • 申請書: 所定の様式に沿って作成します。

  • 事業計画書: 補助金を活用して行う事業の詳細を記載します。

  • 収支計画書: 事業にかかる経費と収入の見込みを示します。

  • 会社概要: 企業の基本情報や沿革などを記載します。

  • 決算書: 直近数年分の決算書類が必要となることが多いです。

  • その他添付書類: 補助金の種類によって異なりますが、見積書や図面などが求められることがあります。

注意点:

  • 事業計画書は特に重要です。審査員に対して事業の必要性や効果をアピールする内容にしましょう。

  • 記入漏れや計算ミスがないよう、複数人でチェックすることをおすすめします。

4. 申請

書類を提出し、申請を行います。提出方法は補助金によって異なりますが、近年は電子申請が増えています。

注意点:

  • 提出前に不備や不足がないかを再度確認しましょう。

  • 締切に余裕をもって申請することをおすすめします。締切直前は混雑し、システムトラブルなどのリスクも高まります。

5. 審査と採択

提出された書類が審査され、採択されると通知が届きます。審査期間は補助金によって異なりますが、通常1〜3ヶ月程度かかります。

注意点:

  • 審査中に追加資料の提出を求められることがあります。迅速に対応できるよう、準備しておきましょう。

  • 不採択の場合でも、多くの補助金では理由を開示してくれます。次回の申請に活かすためにも、必ず確認しましょう。

6. 事業実施と報告

採択後、事業を実施し、実績報告を行います。報告が承認されると補助金が支給されます。注意点:

  • 事業は計画通りに進めることが重要です。変更が必要な場合は、事前に事務局に相談しましょう。

  • 経費の支払いは原則として銀行振込とし、証拠書類(請求書、領収書など)を必ず保管しておきましょう。

  • 実績報告書の作成は丁寧に行い、事業の成果を具体的に示すことが重要です。    

4. 補助金のメリットとデメリット


補助金の活用には様々なメリットがありますが、同時にデメリットもあります。以下で詳しく解説します。

メリット

  1. 返済不要:

  • 補助金は返済不要の資金であり、事業の財政的な負担を大きく軽減できます。

  • 特に、新規事業や設備投資など、大きな初期投資が必要な場合に有効です。

  1. 事業価値の向上:

  • 補助金の審査に通ることで、事業の価値や企業の信用度が向上します。

  • 取引先や金融機関に対して、事業の優位性をアピールする材料となります。

  1. 事業計画のブラッシュアップ:

  • 申請書作成を通じて、事業計画を客観的に見直し、改善する機会となります。

  • 専門家のアドバイスを受けながら計画を練ることで、より実現可能性の高い計画になります。

  1. 新規事業への挑戦:

  • リスクの高い新規事業でも、補助金を活用することで挑戦しやすくなります。

  • イノベーションの創出や事業の多角化につながる可能性があります。

  1. ネットワークの拡大:

  • 補助金の申請や事業実施を通じて、同業他社や関連企業とのネットワークが広がることがあります。

  • これが新たなビジネスチャンスにつながる可能性があります。

デメリット

  1. 取得条件が厳しい:

  • 補助金は審査が厳しく、採択されない場合があります。

  • 申請書の作成に多大な時間と労力がかかることがあります。

  1. 後払い制:

  • 補助金は後払いが基本であり、先に自己資金を用意する必要があります。

  • 資金繰りに余裕がない企業にと っては、資金調達が困難な場合もあります。

  1. 報告義務:

  • 補助金交付後も、定期的に事業の状況を報告する義務があります。

  • 報告書の作成や提出には時間と労力がかかります。また、報告内容が不十分な場合、補助金の一部返還を求められることもあります。

  1. 事業の制約:

  • 補助金を受けるためには、事業内容や経費の使途が制約されることがあります。

  • 計画通りに事業を進めることが求められ、柔軟な対応が難しくなることもあります。

  1. 監査リスク:

  • 補助金を受けると、監査の対象となることがあります。

  • 監査に対応するための資料作成や対応に時間がかかることがあります。    

5. 補助金申請における注意点


補助金申請においては、以下の点に注意することが重要です。

1. 公募要領の熟読

補助金の公募要領には、申請に必要な情報がすべて記載されています。要領を熟読し、必要な書類や申請手続き、審査基準などを正確に把握しましょう。

2. 事業計画の具体性

事業計画書は、審査員に対して事業の必要性や効果をアピールする重要な書類です。具体的な数値やデータを用いて、事業の実現可能性や期待される成果を明確に示しましょう。

3. 締切厳守

補助金の申請には締切が設けられています。締切を過ぎると申請が受理されませんので、余裕を持って準備を進めましょう。提出前に不備がないかを再確認することも重要です。

4. 証拠書類の整備

補助金申請には、さまざまな証拠書類が求められます。請求書や領収書、契約書など、必要な書類を整備し、保管しておきましょう。特に、経費の支払いに関する書類は重要です。

5. 事前相談の活用

補助金の事務局や支援機関に事前相談を行うことで、申請書の作成に関するアドバイスを受けることができます。不明点や不安がある場合は、積極的に相談を活用しましょう。

6. 事業の進捗管理

補助金を受けるためには、計画通りに事業を進めることが求められます。プロジェクト管理ツールなどを活用し、事業の進捗を適切に管理しましょう。

7. 実績報告の準備

事業完了後の実績報告も重要です。報告書の作成には時間がかかるため、事業実施中から必要なデータや資料を収集し、準備を進めておきましょう。

6. 補助金を活用した成功事例

補助金を活用して成功した事例を紹介します。これらの事例から、補助金を効果的に活用するためのポイントを学びましょう。

 

事例1: 製造業の設備投資

千葉県内の中小製造業A社は、老朽化した設備の更新を計画していました。設備投資には多額の資金が必要であり、自己資金だけでは困難な状況でした。そこで、ものづくり補助金を活用することを決めました。

ポイント

  • 具体的な事業計画: 新しい設備を導入することで生産効率が向上し、製品の品質も向上することを具体的な数値で示しました。

  • 慎重な事前確認: 補助金の事務局に事前確認を行い、申請書の内容を公募要領に沿う形にブラッシュアップしました

  • 進捗管理: プロジェクト管理ツールを活用し、設備導入の進捗を適切に管理しました。

結果として、A社は補助金を受けて新しい設備を導入し、生産効率と製品品質の向上を実現しました。これにより、売上も大幅に増加し、企業の競争力が向上しました。

事例2: サービス業の新規事業

千葉県内のサービス業B社は、新たなサービスを展開するための資金を調達する必要がありました。新規事業にはリスクが伴うため、自己資金だけでの実施は困難でした。そこで、事業再構築補助金を活用することを決めました。

ポイント

  • 事業の新規性: 新規事業の市場調査結果や、他社との差別化ポイントを明確に示しました。

  • 具体的な収支計画: 収支計画を詳細に作成し、事業の収益性をアピールしました。

  • ネットワークの活用: 同業他社や関連企業とのネットワークを活用し、事業の実現可能性を高めました。

結果として、B社は補助金を受けて新規事業を開始し、サービスの多角化に成功しました。新規事業は順調に成長し、企業全体の売上と利益が増加しました。

事例3: 小売業のIT導入

千葉県内の小売業C社は、販路拡大を図るためにITシステムを導入する計画を立てました。しかし、ITシステムの導入には費用がかかるため、小規模事業者持続化補助金を活用することを決めました。

ポイント

  • 具体的な導入計画: ITシステムの導入による販路拡大の想定される効果を具体的な数値で示しました。

  • 経費の明確化: 導入にかかる経費を詳細に見積もり、補助金の対象となる経費を明確にしました。

  • 報告義務の遵守: 指定された報告を行い、補助金の適正な使用を証明しました。

結果として、C社は補助金を受けてITシステムを導入し、販路拡大を実現しました。これにより、従業員の業務負担が軽減され、顧客サービスの質も向上しました。


まとめ

補助金申請は、企業の成長や事業拡大に大いに役立つ制度です。しかし、その仕組みや申請プロセスをしっかり理解し、適切に対応することが重要です。補助金のメリットを最大限に活用し、事業の成功につなげましょう。補助金申請に関するご相談やサポートが必要な場合は、ぜひ当事務所にお問い合わせください。私たちは、豊富な経験と専門知識を活かし、皆様の事業成功を全力でサポートいたします。

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